1. 事例概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施工分類 | 介護施設 |
| 物件所在地 | 富山県富山市黒瀬 |
| 建物種別・用途 | 有料老人ホーム |
| 延床面積 | 988㎡ |
| 階数・構造 | 2階建て |
| 完成時期 | 2023年3月 |
| サムネイル | 外観 |
※ 表札・車両ナンバー・施設利用者(入居者さま)が写り込む写真・住所が特定される情報は掲載しておりません。
2. この事例の見どころ


延床988㎡・2階建ての有料老人ホームとしての新築案件です。建物規模を確保しながら、入居者さまが日常を安心して過ごせるバリアフリー設計を全体に組み込みました。フロアレベルは全面フラットに揃え、廊下の有効寸法は2m、居室の入口幅は1300mm以上を確保。一般居室は8帖のゆとりを持たせ、車椅子の利用や介助動作にも余裕のある寸法計画としています。発注者からのご要望に基づきEV(エレベーター)を設置し、2階フロアとの行き来も入居者さまの身体状況に合わせて行える設計です。プライバシーへの配慮を全体方針に置きながら、消防法対応を踏まえた施設運営前提の設計を組み立てました。
3. 設計段階の課題と、発注者からのご要望
延床988㎡・2階建てという中規模の有料老人ホームを新築するにあたり、入居者さまの日常を支える生活空間と、施設運営に必要な動線・法令対応を一体的に計画する必要がありました。本プロジェクトでは以下のような方向性を共有しながら、新築計画を進めました。
- 2階建ての建物構成に対応したEV(エレベーター)を設置したい
- 入居者さまのプライバシーに配慮した施設としたい
- 車椅子利用に対応したバリアフリー動線を全館に組み込みたい
- 消防法に適合した施設として運営できる設計にしたい
4. ご提案と施工のこだわり
4-1. 2階建て構成に対応するEVの設置と上下動線の確保

建物は2階建ての構成で延床988㎡を確保しました。介護施設では、入居者さまの身体状況によって階段の上り下りが負担となる場面が多く、上下動線の安全性確保が運営上の重要要件となります。本案件では発注者からのご要望に基づきEV(エレベーター)を設置し、車椅子利用者・歩行補助具利用者・介助を要する入居者さまも階を跨いで移動できる動線を整えました。中規模の介護施設では、EVの動線計画が日常の介助負担と入居者さまの行動範囲を直接左右します。
4-2. プライバシーへの配慮を全体方針として設計に組み込む

発注者からのご要望として共有されたプライバシーへの配慮を、建物全体の設計方針として組み込みました。介護施設は集合住宅としての側面を持つ一方で、入居者さまにとっては「自分の住まい」として日常を過ごす場所でもあります。共用部と居室の関係性、視線の抜け方、出入りの動線といった要素を一体で計画することで、日常生活の落ち着きを支える環境を整えました。
4-3. 全面フラットなフロアと車椅子対応の廊下幅
室内のFL(フロアレベル)は全面フラットに統一し、段差を排除した連続性のある床面としました。あわせて、廊下の有効寸法は2mを確保しています。車椅子の利用者がその場で回転したり、別の車椅子・歩行補助具とすれ違ったりするためには、一般的な住宅の廊下幅では余裕が不足します。2mという有効寸法は、入居者さま同士・職員との介助動作に必要な余白を確保するための寸法計画です。介護施設では、わずかな段差や狭さが転倒や介助負担に直結するため、寸法レベルでの計画が運営後の安全性を支えます。
4-4. 居室入口1300mm以上+8帖のゆとりある一般居室

居室の入口幅は1300mm以上を確保しました。住宅の一般的な居室入口は700〜800mm程度であることが多く、本案件の1300mm以上という設定は、車椅子の通過・福祉用具の出し入れ・介助時の動作余裕を見込んだ寸法です。さらに一般居室は8帖のゆとりを持たせ、入居者さまが私物を置き、介助動作の余白を取り、長期的に暮らせる広さを確保しました。「住まい」としての居室の質を支える広さは、入居後の満足度と長期居住の継続性に影響する要素です。
4-5. 消防法対応を踏まえた施設設計
施設は消防法対応を踏まえて設計しました。介護施設は所管法令に基づく避難計画・防火区画・設備要件が定められており、企画段階から法令対応を組み込むことで、運営開始時の認可・運用に円滑につなげられます。中規模・2階建ての建物では、避難動線とEV・階段の関係を含めた計画が、入居者さまと職員の安全を支える基盤となります。
5. 主な素材・設備
| 部位 | 仕様 |
|---|---|
| 構造 | 2階建て/延床988㎡ |
| 床 | FL全面フラット(段差なし) |
| 廊下 | 有効寸法2m(車椅子の回転・すれ違いに対応) |
| 居室入口 | 幅1300mm以上 |
| 一般居室 | 8帖のゆとりある広さ |
| 昇降設備 | EV(エレベーター)設置 |
| 法令対応 | 消防法対応 |
| 全体方針 | プライバシーへの配慮を建物全体に組み込み |
※ 詳細な素材・設備の追加情報はお預かり中のため、確認後に追記いたします。
6. 完成後の使われ方
- 階を跨いで移動できる安心:EVの設置が、車椅子・歩行補助具を使う入居者さまも2階フロアへ安全に移動できる動線を支える。
- 転倒リスクを抑える床:FL全面フラットの設計が、入居者さまの日常動作と介助動作の双方を支える。
- すれ違いやすい廊下:有効寸法2mが、車椅子の回転・すれ違い・介助動作に余白を生む。
- 介助しやすい居室入口:1300mm以上の幅が、車椅子・福祉用具の出入りを妨げない。
- ゆとりのある居住空間:8帖の一般居室が、長期入居の暮らしに必要な広さを確保する。
- 落ち着いた住環境:プライバシーへの配慮が建物全体に組み込まれることで、入居者さまの日常を守る空間となる。
※ 竣工写真は施工事例ギャラリーに掲載しています。
7. 発注者の声
現在、発注者さまからのコメントをお預かりしているところです。掲載許可をいただき次第、本セクションに追記いたします。
8. 富山県内で中規模介護施設・有料老人ホームの新築をお考えの方へ
延床988㎡規模の介護施設新築では、入居者さまが日常を過ごす居室・共用部の設計と、上下階の動線・避難計画・法令対応をひとつの建物計画として整える必要があります。EVの位置、廊下の有効寸法、居室入口の幅、フロアレベルの連続性といった「寸法と動線の計画」は、運営開始後の介助負担や入居者さまの暮らしやすさを左右する基盤要素です。
中邑工務店は、富山県富山市八尾町を拠点に昭和45年(1970年)から法人建築・住宅・古民家再生を手がけてきました。本案件のような中規模の有料老人ホーム新築をはじめ、児童福祉施設・事務所・店舗・寮など多様な法人建築に対応しています。消防法など所管法令への対応を踏まえた配置計画・寸法計画・動線計画から、現場ごとの運営方針に応じてご相談いただけます。
- 対応エリア:富山市を中心とした富山県内
- 対応領域:法人建築(介護施設・有料老人ホーム・児童福祉施設・事務所・店舗・寮等)/古民家再生/注文住宅/リフォーム
事例スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施工分類 | 介護施設/新築 |
| 施工範囲 | 2階建ての新築一式(バリアフリー動線・EV設置・プライバシー配慮) |
| 建物種別・用途 | 有料老人ホーム |
| 延床面積 | 988㎡ |
| 階数・構造 | 2階建て |
| 所在地 | 富山県富山市黒瀬 |
| 完成時期 | 2023年3月 |
| 法令対応 | 消防法対応 |
| 主要テーマ | EV設置による上下動線/プライバシー配慮の全体方針/FL全面フラット/廊下有効2m/居室入口1300mm以上/8帖の一般居室 |
