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古民家再生の2026年の補助金一覧|耐震・断熱・空き家で使える国と富山の制度と自己負担を試算する4ステップ

国の「みらいエコ住宅2026事業」の補助金は、工事が終わった後に支払われます。完了後に登録事業者が交付を申請し、補助金はいったん事業者の口座に入ります。そこから最終の支払いに充てるか、現金で施主に戻す仕組みです(2026年9月時点)。

この仕組みのもとでは、上限額を工事費から差し引くだけでは資金計画は立ちません。工事代金をいったん用意する期間があるうえ、補助は性能を上げる工事に出るため、土壁や建具を残す部分には出にくいからです。着工前の申請や、年度内の完了を求める制度もあります。

ここでは、古民家の再生で2026年に使える国・富山県・富山市の補助金を、耐震・断熱・空き家の3つに分けて整理します。あわせて、自己負担を試算する4つのステップと、設計の段階で補助の要件に合わせる考え方を示します。

第1章 古民家再生の補助金は2026年に何が使える?制度を見分ける3つの基準

古民家再生で探す補助金は、工事の目的と、建物をどう使うかで絞り込めます。2026年度に使えない制度も先に押さえておきます。

1-1. 補助金が出るのは性能を上げる工事|土壁の塗り直しや茅葺の葺き替えは対象になりにくい

住宅向けの補助金の多くは、耐震性や省エネ性など、住宅の性能を高める工事を対象にしています。地震に備える補強や、断熱材・内窓を足す改修が代表的です。

一方、土壁の塗り直しや茅葺の葺き替え、木製建具の修理など、古民家らしさを保つ工事は、それだけでは対象になりにくい傾向があります。見積もりのどこまでが対象かは、第5章で仕分けの手順を示します。

例外として、古民家そのものに着目した自治体の制度もあります。兵庫県姫路市の「古民家再生促進支援事業」は、昭和25年より前に建てられ、景観上の特徴を持つ区域内の家などが対象です。地域交流施設などに活かす改修に、対象経費500万円以上で3分の1(上限250万円)を補助しています(令和8年度)。

1-2. 自分で住む・空き家を取得する・地域の施設に活かす|使い方で変わる古民家の補助金

同じ古民家でも、使い方によって探す制度が変わります。

  • 自分で住み続ける: 耐震改修と、断熱・省エネ改修の補助が中心です(第2章・第3章)
  • 空き家を取得・相続して住む: 中古住宅の取得や、親との同居に伴うリフォームの補助が加わります(第4章)
  • 住まない用途に活かす: 地域の交流施設などへの改修は、住宅向けとは別の制度になります(第4章)

自治体の制度には、住む人の条件や地区の指定で対象が分かれるものが多くあります。

1-3. 2026年度に実施されない制度と、個人では申請できない制度

2026年9月時点で、個人の古民家再生には使えない制度もあります。

  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業: 令和8年度は、事業そのものが行われません。
  • 富山県「空き家フルリノベーション支援事業費補助金」: 申請できるのは買取再販事業者などで、自宅の改修には使えません。
  • 観光庁の観光まちづくりの補助事業: 申請者は自治体や民間事業者などで、2026年度の公募は終了しています。

第2章 耐震補強で使える古民家再生の補助金|富山県・富山市の支援と3つの確認点

第2章 耐震補強で使える古民家再生の補助金|富山県・富山市の支援と3つの確認点

古民家の再生で最初に確かめたいのが、地震への備えです。富山県と富山市には、診断・計画・工事の各段階に耐震の補助があります。

2-1. 耐震診断は費用の9割を県が補助|自己負担2千円からの診断

富山県の支援制度では、木造住宅の耐震診断の費用の9割を補助しています(2026年9月時点)。自己負担は、延べ面積と図面の有無で次のように決まります。

延べ面積図面あり図面なし
280㎡以下2千円4千円
280㎡超3千円6千円

申し込み先は、一般社団法人富山県建築士事務所協会です。

2-2. 富山市の耐震改修補助は最大120万円|まちなか・公共交通沿線では最大150万円

富山市の「木造住宅耐震改修等支援事業」は、計画づくりと工事の両方を補助します(2026年9月時点)。

区分補助率上限
計画策定費(補強の設計にあたる費用)3分の220万円
工事費5分の4120万円
工事費(「まちなか」「公共交通沿線居住推進補助対象地区」で全体を改修する場合)5分の4150万円

計画策定費の補助は、同じ年度のうちに工事を行うことが条件です。工事の区分は、地震に対する強さを示す上部構造評点(1.0以上で「一応倒壊しない」とされる数値)で決まります。全体改修は1.0以上、部分改修は1階を1.0以上か1階の主な居室を1.5以上、段階改修は0.7以上にする工事です。

2-3. 伝統構法の古民家は対象になる?着工年・工法・完了時期の確かめ方

古民家で耐震の補助金を使う前に、次の3点を確かめます。

  1. 着工年: 建物の過半が、昭和56年5月31日以前に着工していること
  2. 工法: 県の制度は「伝統工法によるものも含む」と明記しています。一方、富山市のページの記載は「在来軸組工法」のため、礎石に柱を立てる石場建てなどが対象かは、市の窓口への確認が欠かせません
  3. 完了時期: 交付決定を受けた年度の2月末までに、工事を終えること

計画づくりも工事の契約も、申請より先には進められません。工期が延びやすい古民家では、3つ目の条件が特に重くなります(第6章)。

第3章 断熱・省エネ改修の補助金2026|古民家再生で使える国と富山県の5制度

第3章 断熱・省エネ改修の補助金2026|古民家再生で使える国と富山県の5制度

断熱と省エネの補助は、国の事業が中心です。富山県の制度を含む、2026年9月時点の5つを比べます。

制度主な対象工事補助の上限・額申請者
みらいエコ住宅2026事業窓・床・壁・天井の断熱など平成3年以前の住宅は100万円/戸または50万円/戸登録事業者
先進的窓リノベ2026事業内窓、外窓・ガラスの交換100万円/戸登録事業者
給湯省エネ2026事業高効率給湯器エコキュート7万円/台など登録事業者
既存住宅の断熱リフォーム支援事業断熱材・窓・ガラス補助率3分の1、戸建て120万円個人
富山型高性能住宅推進事業費補助金全体改修・ゾーン改修補助率5分の4、120万円個人

3-1. みらいエコ住宅2026事業|平成3年以前に建った住宅は上限100万円

「みらいエコ住宅2026事業」は、平成28年12月31日以前に新築された住宅の省エネ改修が対象です。補助の上限は、新築の時期と工事の水準で決まります。

新築の時期開口部+躯体の断熱+特定の省エネ設備開口部+躯体の断熱
平成3年以前100万円/戸50万円/戸
平成4年〜平成28年80万円/戸40万円/戸

開口部は窓やドア、躯体は床・壁・天井などを指します。補助額は、工事の種類ごとに決まった額の合計です。交付申請の予約は2026年11月16日までで、1回の補助額が原則5万円に満たない場合は申請できません。

3-2. 先進的窓リノベ2026事業と給湯省エネ2026事業|窓と給湯器の補助

「先進的窓リノベ2026事業」は、内窓の設置や外窓・ガラスの交換が対象で、補助額が5万円以上であることが条件です。窓の工事がこの事業の要件を満たす場合は、みらいエコ住宅2026事業では補助されません。

「給湯省エネ2026事業」は、効率の高い給湯器を1台ごとに補助します。エコキュートは7万円(性能による加算で+3万円)、ハイブリッド給湯機は10万円、エネファームは17万円で、戸建ては2台までです。

3-3. 既存住宅の断熱リフォーム支援事業|補助率3分の1・戸建ては上限120万円

環境省の「既存住宅の断熱リフォーム支援事業」は、家全体を断熱する「トータル断熱」と、居間を中心にした「居間だけ断熱」の2つの型があります。どちらも補助率は3分の1以内で、戸建ての上限は玄関ドアの5万円を含めて120万円です。

2026年の9月公募は、9月7日から12月11日17時までです。事前の申請が必要です。

3-4. 富山型高性能住宅推進事業費補助金|全体改修・ゾーン改修とも上限120万円

富山県の「富山型高性能住宅推進事業費補助金」は、家全体の全体改修と、在室時間の長い寝室や居間を中心にしたゾーン改修が対象です(2026年9月2日更新)。改修とあわせた調査・設計や省エネ診断の費用も補助されますが、合計の上限は120万円です。

注意したいのが耐震性の条件です。昭和56年6月1日以降の着工か、耐震改修の基準への適合が求められるため、多くの古民家では第2章の耐震とあわせて考えます。補助は同じ住宅につき1回です。

第4章 空き家になった古民家の再生に使える補助金|富山市の4つの支援と要件

住む人のいなくなった古民家では、富山市の支援が「取得」「同居」「地域での活用」「除却」の4つに分かれます。いずれも2026年9月時点の市の案内に基づく内容です。

4-1. 中古の古民家を買って直す|まちなか・公共交通沿線中古住宅取得等支援事業

令和8年4月1日以降に登記した中古住宅の取得とリフォームを支援します。リフォームは費用の2分の1を、まちなかで100万円、公共交通沿線で70万円まで補助します(子育て世帯は上限30万円の上乗せ)。

主な要件は次のとおりです。

  • 新耐震基準への適合(昭和56年5月31日以前の着工なら、評点1.0以上か、同時の耐震補強)
  • 住戸の専用面積75㎡以上、世帯の合計所得月額44.5万円以下、3年以上の居住
  • 建設業の許可を持つ施工者による工事
  • 登記から1年以内、かつ工事の着手前の認定申請

対象は市が定めた地区に限られます。移住者だけを対象にした住宅の補助は、2026年9月時点で富山市の案内に見当たりません。県内には、氷見市のように独自の制度を持つ自治体もあります。

4-2. 親の家に戻って同居する|ふるさと回帰リフォーム等補助事業は上限100万円

子世帯が親の家に戻って同居する場合は、「ふるさと回帰リフォーム等補助事業」が使えます。対象工事費の2分の1を補助し、上限は令和8年4月1日から100万円になりました(それまでは300万円)。区域は、市内から「まちなか」と「公共交通沿線」を除いた地域です。

子世帯が10年以上、町内会の区域の外に住んでいたこと(18歳未満の子を育てる世帯は不要)と、3年以上の同居が主な要件です。新耐震基準への適合も求められ、着工前に申請します。

施工者は、建設業の許可を受けた富山市内の業者に限られます。富山市八尾町に本社を置き、富山県知事の建設業許可を受けている中邑工務店のような市内の工務店であれば、この条件に当てはまります。

4-3. 地域の交流施設などに活かす|空き家再生等推進事業補助金は上限500万円

富山市の「空き家再生等推進事業補助金」は、放課後児童クラブや自治公民館、地域交流施設などとして空き家を改修する事業に、取得・改修費の3分の2(上限500万円)を補助します。

営利や宗教の活動を目的としない、公益的な事業に限られます。主な要件は次のとおりです。

  • 所有者全員の承諾と、自治会などの事前の理解
  • 事業後3か月以内の活用開始と、10年以上の継続
  • 現行の耐震基準への適合と、交付決定後の着手

4-4. 住まずに土地を活かす場合|老朽危険空き家の除却と隣地取得の補助

建物を残さない場合、市の調査で一定以上の危険度と判定された空き家の除却に、2分の1(上限50万円)の補助があります。跡地を地域で5年以上活かす場合は、空き家再生等推進事業で除却費の5分の4(上限160万円)です。

第5章 補助金を組み込んだ資金計画|古民家再生の自己負担を試算する4ステップ

第5章 補助金を組み込んだ資金計画|古民家再生の自己負担を試算する4ステップ

補助金は、工事費から差し引くだけの数字ではありません。対象の仕分け、上限の当てはめ、入金までの立て替え、融資と減税の順で、資金計画の中の自己負担を見通します。

5-1. STEP1 見積もりを補助の対象と対象外に仕分ける

最初に、見積もりの内訳を補助の対象になるものとならないものに分けます。古民家では、次のように分かれがちです。

区分工事・費用の例
対象になりうる耐震補強、耐震改修の計画づくり、断熱材や内窓、高効率給湯器
対象になりにくい土壁の塗り直し、木製建具の修理、内装の仕上げ
対象外仮住まい、引っ越し、家財の処分

同じ工事を2つの制度に重ねて計上することはできないため、どの工事をどの制度に当てるかも決めておきます(第7章)。

5-2. STEP2 補助率と上限を当てはめる|耐震改修補助で見る計算の手順

補助額は多くの場合、「対象経費×補助率」と「上限額」の少ないほうです。富山市の耐震改修補助で示します(金額は説明のための仮の数字)。

項目仮の金額補助率計算上限補助額
計画策定費24万円3分の216万円20万円16万円
工事費(まちなか等以外)180万円5分の4144万円120万円120万円
合計204万円―――136万円

この例の自己負担は、204万円−136万円=68万円です。工事費のうち上限を超えた部分は、そのまま自己負担に加わります。

みらいエコ住宅2026事業のように、工事ごとの定額を合計する制度は、この式では計算できません。複数の制度を合わせた額は、第7章の併用のルールと窓口への確認を経て、はじめて見積もれます。

5-3. STEP3 補助金が入るまでの立て替え額と時期を確かめる

国の3事業では、補助金は完了後に事業者の口座に入り、最終の支払いに充てるか、交付から遅くとも2か月以内に現金で施主へ戻されます。

富山県・富山市の補助も、完了後の実績報告を経て支払われます。着工から入金までは、工事代金を手元の資金や融資で用意しておく必要があります。

国の補助金を最終の支払いに充てるかは、契約の際に決めておくと、立て替える額がはっきりします。富山市の耐震改修補助では、補助金の受け取りを事業者に任せる「代理受領」を選べば、工事代金から補助金を差し引いた額を支払う形になります(ふるさと回帰リフォーム等補助事業は代理受領ができません)。

5-4. STEP4 融資と減税を重ねる|住みよい家づくり資金・グリーンリフォームローン・固定資産税の減額

手元の資金で足りない分には、公的な融資があります(2026年9月時点)。

  • 富山県「住みよい家づくり資金融資」: 500万円以内・15年以内で、耐震改修を含む一般世帯の金利は年1.7%(固定・別途保証料)です。多子同居・三世代同居は、利息の全額を県が補給します。
  • 住宅金融支援機構「グリーンリフォームローン」: 省エネリフォーム向けで、限度額は1,000万円などの基準のうち最も低い額、返済は最長10年・全期間固定金利です。
  • 【フラット35】リノベ: 中古住宅の購入とあわせた改修に使える制度で、すでに持っている家の改修には使えません。

減税では、固定資産税の減額が令和13年3月31日まで延長されました(国土交通省の令和8年度税制改正の概要)。昭和57年1月1日以前からある住宅の耐震改修(工事費50万円超)は、翌年度分の税額が2分の1になります。平成26年4月1日以前からある住宅の省エネ改修は3分の1が減額され、補助金を差し引いた工事費が60万円を超えることも条件です。申告は、完了から3か月以内に市町村へ行います。

所得税のリフォーム促進税制は令和10年12月31日まで延長され、耐震・省エネとも対象工事の限度額は250万円、最大控除額は25万円です。

第6章 設計の段階で補助の要件に合わせる|古民家再生の費用を抑える3つの工夫

補助の要件は、工事の内容が決まってから当てはめるより、設計の段階で目標に組み込むほうが無駄が少なくなります。

6-1. 評点・断熱性能・対象の部屋を、補助の要件から逆算して設計の目標にする

多くの補助は、改修後の性能や工事の組み合わせで区分を設けています。設計を始める前に、目指す区分を決めておきます。

  • 耐震: 富山市の補助で、全体改修(評点1.0以上)、部分改修、段階改修(評点0.7以上)のどれを選ぶか
  • 断熱: 富山型の補助で、全体改修とゾーン改修のどちらにするか(全体改修は第三者機関の評定書などが必要)
  • 省エネ: みらいエコ住宅2026事業で、必須の工事を行う「トリガールーム」(外に面した窓のある1つの居室)をどこにするか

区分が先に決まれば、図面と見積もりが申請の書類に合う形で整います。

6-2. 補助対象の製品を使う場所と、古材や木製建具を残す場所を分ける

国の事業は、登録された製品を使う工事が対象です。そのため、今ある木製建具を直して使う部分は、補助の対象にならない場合があります。

そこで図面の段階で、補助の対象になる製品を使う場所と、趣を残す場所を分けます。例えば、居間は内窓を足して窓リノベの対象にし、座敷の格子戸は直して残します。

補助の対象にならない部分は、材料の選び方で費用の中身が変わります。古材を新たな姿に加工して販売している中邑工務店のような工務店では、傷んだ建具や床板の補修に、古い建物から出た材を充てる選択肢も並べられます。

6-3. 年度内の完了に合わせて工期を組む|段階改修と年度をまたぐ古民家の計画

補助の多くは期限までの完了を求めます。富山市の耐震改修補助なら、交付決定年度の2月末までに工事を終える必要があります。

一方で古民家は、床や壁を開けてから傷みが見つかると、工期が延びやすい建物です。富山市の段階改修(評点0.7以上を目指す区分)を選べば、1年度のうちに終える工事の量を抑えられます。

年度をまたぐ部分は、翌年度の制度を前提に計画する方法もありますが、翌年度の内容はその年度まで決まりません。雪の多い時期に屋根や外壁の工事が重ならない工程も欠かせません。

第7章 古民家再生の補助金申請で失敗しやすい5つの場面|着工前から完了後まで

第7章 古民家再生の補助金申請で失敗しやすい5つの場面|着工前から完了後まで

古民家再生の補助金は、手続きの順番や条件を一つ外すだけで、受け取れなくなることがあります。

7-1. 契約・着工を先に済ませてしまう|交付決定前の着手は補助の対象外

多くの制度は、着工前の申請が前提です。富山型の補助は交付決定の後に着手する決まりで、契約の締結と工事の着手の早いほうが「着手」とみなされます。富山市の耐震改修補助も、計画づくりと工事の契約の前に申請が必要です。

7-2. 国の補助金どうしや、国費の入った自治体の補助と重ねる|併用のルール

住宅省エネ2026キャンペーンでは、併用を次のように定めています。

  • 同じ工事に、国の複数の補助を重ねて受けることはできない
  • 自治体の補助は、国費が充てられているものを除き、併用できる
  • 3事業は併用できるが、同じ窓や給湯器の二重申請は交付申請が無効になる

富山県のチラシには、富山型の補助と市町村の耐震改修の補助は「併用可能」とあります。一方、富山市の耐震改修補助は国費が入っており、ほかの補助との併用は原則できないと案内されています。組み合わせる前に、県と市の両方で確認を取っておきます。

7-3. 予算の上限と公募の期間|2026年9月時点の予算の消化状況

2026年9月16日時点で、予算に対する申請の割合は、先進的窓リノベ2026事業が24%、給湯省エネ2026事業が44%、みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)が6%です。いずれも上限に届いた時点で受付が終わり、数字は毎日更新されます。既存住宅の断熱リフォーム支援事業は、公募の期間ごとに受け付けます。

7-4. 施主が自分で申請できない国の3事業|登録事業者による申請と還元

国の3事業では、施主は自分で申請できず、登録した事業者が申請して補助金を施主に戻します。依頼先が登録事業者かどうかで、使える制度が変わります。一方、富山型の補助や既存住宅の断熱リフォーム支援事業、富山市の耐震改修補助などは、住まいの所有者が申請します。

7-5. 完了後の居住・活用・報告の義務|補助金の返還につながる場面

工事が終わった後も、条件が続く補助があります。

  • ふるさと回帰リフォーム等補助事業: 3年以上の同居
  • 中古住宅取得等支援事業: 3年以上の居住
  • 空き家再生等推進事業: 10年以上の活用
  • 既存住宅の断熱リフォーム支援事業: 2年間の報告

要綱で定められた義務を果たせない場合、補助金の返還を求められることがあります。

第8章 補助金を見据えた依頼先選び|古民家の再生で確かめたい3つの視点

補助金を使う古民家の再生では、工事の技術に加えて、制度の条件に合う依頼先かどうかも確かめる必要があります。

8-1. 使いたい制度の施工者の条件を満たしているか

施工者の条件は、国の3事業なら登録事業者、ふるさと回帰なら富山市内の建設業許可業者というように、制度で違います。使いたい制度を先に決め、依頼先が当てはまるかを見積もりの前に確かめると、手戻りが減ります。

8-2. 見積書が補助の対象経費ごとに分かれているか

見積書の内訳が対象の工事と対象外の工事に分かれていると、申請の書類をつくりやすくなります。耐震改修なら、設計の費用と工事費が分かれているかも見ます。

8-3. 住まい以外の使い道まで含めて計画を立てられるか

相続した古民家を店舗や事務所、地域の交流施設として活かす場合は、住宅向けと別の制度になります。

用途を決めかねている段階では、住宅と事業用の建物の両方をつくる工務店のほうが、比べる材料をそろえやすくなります。店舗や事務所、施設などの法人建築も手がける中邑工務店のような工務店であれば、住まいとして直す案と、人が集まる場所として直す案を並べて検討できます。

第9章 古民家再生の補助金2026で寄せられる4つの疑問

古民家再生の補助金について、よく寄せられる疑問に答えます。

9-1. 「文化財に指定されていない古民家でも補助金の対象になりますか?」

要件を満たせば、一般の住宅向けの補助の対象になります。文化財には別の仕組みがあり、国の登録有形文化財の建造物には、保存修理の設計監理費などを原則50%補助する国の制度があります。

9-2. 「八尾の町並みにある古民家には、景観の補助がありますか?」

富山市の八尾地区は「景観まちづくり推進区域」で、外観を変える際の届出の基準があります。一方、国の重要伝統的建造物群保存地区ではありません(文化庁の一覧、2026年9月1日現在)。

2026年9月時点で、八尾地区の修景に向けた補助の案内は市のページに見当たりません。外観を変える工事では、届出とあわせて市の担当課で確かめる必要があります。

9-3. 「建てた年がはっきりしない古民家でも申請できますか?」

みらいエコ住宅2026事業は、登記事項証明書などで新築の時期を確かめます。登記で建てた年がわからない場合の扱いは制度で違うため、申請前の確認が欠かせません。

9-4. 「店舗や宿として使う古民家にも、住宅の補助金は使えますか?」

住宅向けの補助は、人が住むことが前提です。住まない用途では、富山市の空き家再生等推進事業のような別の制度になりますが、営利を目的としない事業に限られます。

第10章 見積書の分け方で補助金が変わる|古民家再生の2026年の制度を資金計画に生かすために

第10章 見積書の分け方で補助金が変わる|古民家再生の2026年の制度を資金計画に生かすために

補助金の額は、工事費の内訳をどう分けるかで変わります。対象経費として切り出せる額や当てる制度、上限を超える部分の大きさで、受け取れる額と自己負担が動くためです。その分け方は、図面を描く段階でおおよそ決まります。

着工前には、使い方に合う制度を選び、評点や断熱の区分を設計の目標に置きます。見積もりを補助の対象と対象外に仕分け、申請を済ませて交付決定を待ちます。

工事中は、年度内の完了に合わせて工程を進め、補助金が入るまでの代金を資金や融資でまかないます。完了後は、実績報告と固定資産税の申告に加え、制度によっては居住や活用の義務が続きます。

住む人・営む人・訪れる人のために古民家を直す|株式会社中邑工務店

古民家を誰のための建物として再生するかで、当てはまる補助金も、工事の中身も変わります。株式会社中邑工務店は「住む人、営む人、訪れる人に、技術と笑顔を提供する」を掲げ、住まいから店舗・事務所まで、地域の建物をつくっています。

古民家再生の費用は、建物の状態や改修の内容、使う素材によって大きく変わります。中邑工務店では、工事の内容を検討する段階で、使える補助金を当てはめて自己負担を試算し、補助金が入るまでの支払いの流れも含めた資金計画の相談に応じています。富山市八尾町杉田に本社を構え、創業は昭和45年(1970年)です。

古民家のどこを残し、どこの性能を上げるかが決まれば、当てはまる補助金もおのずと絞られていきます。

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